第27章 浮気?✿番外編
「あ、市川小隊長お疲れ様です!」
市川くんに会いすぐに敬礼をすると、彼も返してくれる。
「三浦副隊長補佐官お疲れ様です!……って、やめてくださいよ、先輩。今まで通りでって言ってるじゃないすか…。」
慣れないのか少し頬を赤らめて照れているようだ。
今日は体調いいんですか?と聞かれたので頷いて副隊長室に向かっていく。
ノックをして返事を聞いてから中に入った。
「君か。大丈夫なん?もう休業入りぃよ。」
「お腹が大きい隊員がいたら目障りですか。」
「そないなこと言ってへんやん。なんで怒ってるん?」
座っている彼の横に行き、机に手をつく。
「スマホ、見せて。2つ共。」
眉間に皺を寄せた彼は意味がわからんと書類に目線を戻す。
前は見せれるって言ってたじゃないか、今は見せれないの?
例え夫婦でも見ていいものではない。
なので、勝手に見ることはしない。
だから今、普通に笑ってスマホを渡して欲しかった。
そしたら、見ずに返すつもりだった。
「好きだよ、宗四郎。」
「ん?僕も好きやで。どしたん?仕事しに来たんやないの?」
私の目を見て言って。
そんな、書類を見ながら適当に返さないで。
なんだか悔しくなって、彼の机に置かれている書類を一束持ち、自身の席に座る。
「あ、僕、新人の訓練に行くから、後頼んでええ?」
「……了。」
ほな頼んだでと言いながら副隊長室を出ていく。
いつもなら頬にキスくらいしていくのにな…いつからなくなったっけ…。
彼の机にはスマホが2台置かれたままだった。
信じてもいいのだろうか…。
すぐにそれから目線を外し、見たくなる欲を逃がした。