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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第27章 浮気?✿番外編


「ほな、行ってくる。はよ寝ろよ。」


「う、うん。行ってらっしゃい、頑張って。」


玄関の扉に消えていく旦那さんを見送った。


どうやら基地から呼び出しがあったらしく、少し機嫌がよさそうな彼は笑顔のまま出勤した。

きっと…基地に行くんじゃない。


今は妊娠8ヶ月目で、悪阻が酷かった時期から彼はだんだんと冷たくなった。

悪阻の時は言葉では優しくしてくれたが、あまり私とはいてくれなかった。

えっちも初夜からしていない。

わかってる、私の身体や子供の為だってこと。


それでも、行ってらっしゃいのキスくらいしていってよ…。


悪阻の時期以降はとても忙しかった、試験の時期だった。

今は試験も終わり、落ち着きを取り戻している。


「バカ…。」


呟いた言葉は誰にも拾われることなく、虚しく寂しい空気に溶けていく。


女性隊員とよく仲良くしているところを見かけた。

彼は副隊長だ、そのくらい当然だろうと思うかもしれないが、私にだけ向けてくれる笑顔や優しい声を撒き散らしていた。


誰にも取られたくない…どこ行ったの…。


「小此木さん、宗四郎を呼びましたか?」


テーブルに置いてあった通信機を使ってオペレーションルームに繋ぎ、リーダーの小此木さんに聞いてみると、呼んでいないと言う。


「そっか…そっか……っ…。」


通信を切ってテーブルに置き、零れそうになる悲しさを我慢した。


私だけって言ってくれたけど、私と付き合う前はそういう人だったんだ、妊娠中にそういうことされてもおかしくない。

信じていたいのに…。


その日はとりあえず眠って朝になっても彼は帰ってきていなかった。
そのまま基地に行ったんだろう。


今日は体調がいいから、基地に行こうかな。

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