第26章 妊娠✿番外編
食べ終えても離してくれる気配はないので、弁当箱を片付けて彼の胸に擦り寄る。
「ふっ、良恵の甘えん坊が出たなあ。」
離してくれないからでしょ、と心の中で悪態をつくがそのまま顔を上げて頬に口付けた。
もっとしてやと言うので、頬を食んでふにふにとしてからペロッと舐めて唇を離し、袖でゴシゴシと拭いた。
「拭かんでもええのに…ほら、もっと舐めてや。」
「やだよ…まだ仕事残ってるんでしょ?さっき追加で来たみたいだし?」
もっとイチャイチャしたいと頬を口に押しつけてくる。
やめてと引き剥がして軽く睨む。
すると、顎を持たれてキスをされた。
唇を舐め上げて離れるとお腹を撫でてくる。
「報告せなあかんなあ…。」
そうだねと返して腰に戻った手を引き剥がそうとしたが、どうしても離す気がないらしくぎゅうと余計引き寄せられる。
あろうことかそのまま資料を手にし、仕事を再開し始めた。
え、邪魔じゃないの?
いいやと思い、私も資料を手にして目を通す。
「やらんくてええよ?せっかく休ませたんに…。」
「誰かさんが離してくれないので、することがないです。」
笑いながらじゃあ頼むわとまた資料に目線を戻した。
やっぱり、離す気はないんだ…。