第24章 保科の休日✿番外編
「そろそろ機嫌治ったか?」
そんな態度は見せないようにしていたのが、気付いていたのか。
赤信号で止まると手を取られ、絡めて握った手の甲にキスをされた。
「はよ治して。笑うた可愛ええ顔見せて。」
私、笑ってなかっただろうか?後ろでこっそり悶えてはいたが…。
駐車場で車を止めエンジンも止めると、笑うてと両頬を摘まれ引っ張られる。
「君が笑ってくれへんかったら、僕が楽しないんやけど。」
どうしたら機嫌治るんと見つめてくるが、あなたはその答えを知っているでしょう?
眉を下げていた彼は突然不敵な笑みを浮かべた。
「ほんなら…これで治るやろ!」
ジャージのファスナーを下げてスーツの上から脇腹を擽られ、身体を捻りながら敏感な私は笑って耐えるしか出来ない。
「んふふっ、ははっ!もう、ひひっ…治ったから!やめっ、あはははっ!」
「ほんまに治ったんか?ん?まだまだ足りひんやろ、もっと笑うて。」
無理無理〜と訴えてもなかなかやめてくれない。
涙を流し始めると手は離され、シートベルトが外れる。
この時、車が相当揺れていたらしく、見ていた同期たちはとんでもない勘違いをしていたようだ。