第24章 保科の休日✿番外編
シャワーを浴びて部屋に戻ると宗四郎さんはいなくて、副隊長室にいるのだろうと扉を開ける。
彼は誰かと通信機で話していた。
通信が終わって私の存在に気付いた彼は眉を下げて困ったような顔をする。
「ほんまにごめん、行けんくなった。そないに可愛ええ格好してくれたんに、ごめんな。」
わかっている、我慢しなければ。
きっと彼も我慢しているのだろう。
両腕を広げた彼に飛び込み胸に顔を埋めた。
困らせたくない、だから何も言わない。
「お仕事、頑張ってください…。」
「うん、ありがとう。」
頭を撫でられてその手が肩に移った頃、ゆっくり離れて笑顔を見せた。
申し訳なさそうに笑った彼の唇に触れ、そのまま自身の唇を重ねる。
宗四郎さんは怒らなかった。
「宗四郎さん、好き…。」
「っ……も〜あんま言わんといて言うたやぁん…僕んこと殺す気かっ!」
驚いたように開かれた目はすぐに閉じ、頬を膨らませている。
キスは怒らなかったのに…。
それよりも可愛いんですが…もう1回キスしたい。
でもそんな時間はないので、仕事へ向かう彼を見送った。