第24章 保科の休日✿番外編
お腹が空いたので早く食堂に行こうと急に冷静になり、訓練で汚れたジャージを着替える為、一度寮に戻ろうと廊下を歩く。
「美影?こないなとこでなにしてるん?」
背後から声をかけられて振り向くと宗四郎さんがいたので、駆け寄って敬礼で挨拶をした。
振り向く前に声で宗四郎さんなのはわかっていた。
「ちょっと隊長に呼ばれてたので…副隊長は?」
「ん?飯でも食いに行こ思てな。君のこと呼びに行こう思てたん。」
今は副隊長やないやろと軽く睨まれたので、慌てて宗四郎さんと呼び直した。
それより、ご飯食べる為だけに私を呼び来てくれたんだ…嬉しい。
「着替え持って僕んとこ来ぃ?」
ん?なんで着替えを持って?僕んとこって副隊長室?
首を傾げるとはよしぃと少し怒られてしまったので、急いで寮に戻った。
着替えを持って急いで副隊長室へ行くと、なんでそんな服を持って来たのだと呆れられた。
え…これだとダメなの?いつもこんな服着てるのに…。
Tシャツにジャージの替えのズボン…。
「飯食いに行こ言うたやん。デートやで!」
「え……えっ!!ちょ、ちょっと待っててください!すぐ別の服持って来ます!」
まさかデートだとは思わなかった。
普通に食堂に行くものだと…。
というか、付き合ってないのにデートって…まああるか。
笑った彼を見て急いでまた寮に戻る。
今度は可愛い服と新しい下着を持ってきた。
普通に少し可愛いなくらいの下着なので、宗四郎さんにとってはどうでもいいかもしれないが…。
少し期待している、この下着を見られることを。
おいでと手を引かれ奥の部屋に入ると、そのままシャワー室があるところへ向かう。
「先に浴びとって。僕ちょっとやることあるから。」
一緒じゃないのかと少し寂しくなってしまった。
いや、一緒だとしても恥ずかしいのだが…それ以上のことを期待してるのに。
仕方ない、忙しいのだろう。それでも私とご飯を食べに行くと言ってくれているのだ、この少しの寂しさくらい我慢しないと。