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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第4章 夜明けの相模原掃討作戦


基地に戻りシャワーを浴びて着替えてから彼女がいる医療棟へ向かう。


僕が彼女を斬った。
手を見ると少し震えている。

彼女が飛び出て来たとはいえ、斬ったのには変わりない。

震えた拳をおでこにつけ、クソっと呟いた。


「副隊長?」


「っ!…なんや、カフカか。どないしたんや?」


なんもないようにいつも通り答えた。


どうやらカフカも医療棟に行くらしく、一緒に行くことにした。

医療棟につくと、カフカは先に市川のとこに行くらしく、すぐに別れた。


彼女が目を覚ますのは午後になるだろうから今面会しても話すことは出来ないと言われた。
だが、顔だけでも見たいので病室に向かう。


テントに向かう前に意識はなくなっていた。
出血の量が酷かったからだろう。


病室につき、目を固く閉じた彼女の頭を撫でる。


すると、病室のドアが開いたのですぐに手を引っ込めた。

どうやら、副隊長の僕が来たので、彼女の状態の説明にきたようだ。


傷自体はそこまで深くはなく、内蔵は傷付いていないらしい。
なので、今は大丈夫なようだが、出血が酷かったので危なかったという。

傷が深くなかったのはスーツのシールドを全開にしていたからだろう。


そして、痕は残るようだ。
綺麗に消してやりたかった。


「美影、堪忍なぁ…。」


彼女と結婚するのはきっと僕ではないだろう。
その時、この傷が原因で失敗するのは嫌だ。

そもそも、美影が他の男のことを見るのが嫌だが。

もう、責任取る言うて結婚してもうた方が…。

そこまで考えて、その考えを振り払った。


2人きりになった部屋で僕は彼女を見つめ、いつの間にかおでこにキスをしていた。


これ以上ここにいたらなにするかわからないので、病室を出る。

なにするかわからないというが、唇にキスは物理的に出来ない。
呼吸器が口元を覆っている。


医療棟を出て朝飯を食いに向かった。

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