第21章 群発災害
その時、大きな爆発音が響き驚いてそちらを確認する。
「古橋くん!?」
彼は確か長野に…来てくれたのね。
かつて共に戦った同期たちがそれぞれ専用武器を携えて、各戦場に駆けつけてくれたようだ。
各戦場が優勢になっていく…本当にみんな、ありがとう…。
私は亜白隊長の元に急がなきゃ。
8号が立川に現着したようだ。
日比野先輩が9号と戦っている。
私も早く…。
怪獣8号、生体反応消失…という声が虚しく耳に響いた。
いたっ!
メインウェポンを抱えた亜白隊長の姿を捉えた。
9号の攻撃がっ!
咄嗟に9号の背後に回り意識を逸らす。
「っ!?ガハッ…!うっ…。」
異様に変形した9号の腕に胸を貫かれた。
亜白隊長への攻撃が発動する。
結局私は弱いままだった、何も出来なかった。
あなたの隣で戦うと誓ったのに…。
亜白隊長の私を呼ぶ声が聞こえた。
「そ、しろ……。」
愛しい人の名前を呟き、意識は保てなくなった。