第21章 群発災害
「美影、お疲れ様のちゅーしてや。」
「は?……いや、小此木さんに怒られる…。」
「美影のちゅーがないと、もう頑張れん。」
もう、と言いながら軽く口付けると後頭部を持たれて、そのまま深いキスになっていく。
舌が絡まり鉄の味がする。
これ、宗四郎の血…。
まあいいか、私は口の中怪我してないし…。
いつもよりも早く唇が離れて見つめ合う。
「あかん、息続かんわ…。」
怪獣との戦いで疲れ果ててしまった彼は鼻呼吸だけでは苦しくなったようだ。
そのまま彼は身体を起こし立川と呟く。
そう、残る識別クラスは立川のみとなったのだ。
頼みます、亜白隊長!
膝立ちになっている私に彼は、縋るように首に腕を回して密着してきた。
「ほんまにもう…疲れたぁ…。」
髪を撫でて本当にお疲れ様と額に口付ける。
「疲れてえっちしたなってもうたわ。」
ん?いや、なんで?
まあいいや、聞かなかったことにしよう。
腕を離して立ち上がった彼は、ほな行こかと私に手を差し伸べる。
もう体力回復したの?
手を取り立ち上がると私の肩に腕を回し、疲れたから運んでと言う。
「ふふっ、しょうがないなぁ。」
彼の腰に腕を回し肩にある手を掴んでそのまま駆け出す。
まだ余獣が残っている。
彼の足が縺れそうになっているので膝の裏に手を回し横抱きにすると、やめてくれと頬を赤らめる。
「体力温存!」
「恥ずいわ、もう…。」
首筋に頬を寄せてきて顔を隠した。
相当疲れているようだ、先程から甘え度合いがすごい。
あれから余獣等を倒しまくり、亜白隊長が怪獣14号を討伐した知らせが届いた。
宗四郎と目を合わせ笑う。