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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第21章 群発災害


視線を感じて男の子を見ると目が合い、ずっと見られていたのかと思う。

私、この目知ってる…。

あの日、私が彼に向けた目だ。

最近は彼も私をこんな風に見つめてくれる。


そうか、この子はあの時の私みたいなんだ。


「私の顔、なんかついてる?」


あの日の彼と同じ言葉をかけた。

ついてると言えばついてるけど…耳にガーゼがついている。


「いや、なにも…。」


あの日を懐かしく思い笑ってしまった。


ごめんね、私には大切な人がいるから…。


シェルターにつくとこの子の家族と思われる人たちが駆けつけてきた。

そのまま、怪我をしているので…と男の子を預けて戻ろうとしたら、声をかけられた。

また会えるかと…なんて答えたらいいんだろう…本当にもし、私に好意を抱いてくれているのなら、期待をさせるようなことは言えない。

それでも…。


「生きてたらきっと会える。」


笑顔で答えて、私を待ってくれているであろう、彼の元へ向かう。

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