• テキストサイズ

あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第21章 群発災害


痛むか?と聞いてくる彼に大丈夫と答えて、足を止めて辺りを見渡す。

微かに声が聞こえた気がしたのだ。


どうしたのかと聞いてくる彼の口を抑えて、耳をすました。

そんな私の行動に何かを察したのか、口を閉じて動くことはしなくなったので、口から手を離した。


っ!
確かに今、助けてと聞こえた。
勘違いなんかじゃない。

彼は何も聞こえないのだろう、ただ私を見つめている。


「人がいる。助けを求めてる。」


「どっから聞こえる?」


こっちと言って聞こえた方向へ向かった。


誰かいますか?と声をかけながら辺りを見渡し耳をすます。

瓦礫の下?


別れて探していた宗四郎に声をかけて、瓦礫を退かしていく。

手が見えたので急いで瓦礫を退かした。


「大丈夫ですか!?防衛隊です!」


ここの近くの制服だろう、中学生くらいの男の子が倒れていて、足を怪我しているようだ。

すぐに抱えて瓦礫の中から出す。


「もう大丈夫ですよ。シェルターに行きましょう!」


相当痛いのか涙を浮かべる男の子に笑顔を向けた。


「宗四郎、私、この子をシェルターに連れていくね!」


「僕が行こか?」


大丈夫と答えてそのまま駆け出した。

/ 591ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp