第21章 群発災害
彼は私の頭に手を置いたまま、群がる怪獣たちの奥にいる黒い奴がここにいる怪獣たちのボスだと言う。
10号に全攻撃を防ぎ切れと言った彼は、また溜め息をついて少し俯いた。
「ほんま不本意やわ。こんな脳筋みたいな戦い方…。」
私の頭をぐしゃぐしゃと撫でて手を離す。
乱れて邪魔になるからやめて頂きたい。
「性に合わん。」
雰囲気をガラッと変えて構えた。
どこが性に合わん、よ…めちゃくちゃやる気じゃない!
走り出した彼に続き私もすぐに駆け出す。
私は全て彼に合わせる。
宗四郎、好きに動いて、そのまま真っ直ぐ突き進んで!
保科流刀伐術 3式 返し討ち!
空討ちを繰り出す彼に続き、私は地面を蹴って高く飛び、怪獣を飛び越えながら斬り裂く。
彼は背後からの攻撃を10号に任せたが弾くだけになってしまった為、彼が返し討ちで仕留めた。
そして10号はまた別の背後の怪獣を仕留める。
うん、2人ならもう大丈夫そう。1人と1匹?
私は目の前に迫り来る1体を斬滅し、背後から来た1体に空討ちを放つ。
「美影っ、あかん!」
すぐ近くにはいないと油断していたら、倒した怪獣の後ろから刃物のような腕が飛び出してきた。
ダメだっ、避けきれない!
すでにあちらはボスと相対している。
これなら……。