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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第4章 夜明けの相模原掃討作戦


ダメだと思いながら足は動いていた。


「副隊長、許可できません!三浦隊員がそちらに近付いています!」


通信機から小此木さんの声が聞こえてきた。
彼がリミッター解除許可を申請したのだろう。


「来るな言うたやろ!!副隊長の命令が聞けんのか!!」


通信機から聞こえる彼の声が怒りを隠さず荒々しくなっている。

だが私は新人とは有るまじき行為を繰り返す。


彼の言葉を無視し小此木さんに話しかける。


「小此木さん、副隊長のリミッター解除に許可を。」


彼はやる気だ。
その証拠に、現着した私には目もくれず、開かれた目には怪獣の姿をした先輩を捉え続けている。

全解放していなくても彼は突っ込んでいくだろう。
先輩がもし力加減を失敗したら……その場合を想像して、身体が震えた。


「小此木ちゃん、三浦のスーツ、常にシールド全開にしといてくれ。」


彼も全解放しないと戦えないことには気付いている。


「除隊なるかもしれへんで。わかっとるんやろうな、三浦!!」


相当怒っている。
ここまで怒りを露わにした彼を初めて見た。
それだけのことをしているという自覚はある。

私が返事をすると、副隊長のリミッター解除許可が出た。


除隊になるリスクを負ってまで、こんなことをする意味はなんだろう。
きっと私がいなくても先輩は上手く切り抜けられるかもしれない。

でも、少しの不安が私を駆り立てるのだ。
もし、どちらかが…もしくは2人共失ってしまうかもしれない恐怖が不安という渦を巻いて頭の中を駆け巡る。

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