第20章 結婚
すぐに寝てしまった美影は、苦しそうに声を漏らしている。
身体痛いんやろな。
あんなに熱が高いと至るところが痛いだろう。
だが、咳や鼻水は出ていないようだ。
口呼吸をしているのですぐに喉が乾いてしまうだろう。
彼女の背中を擦りながら僕も少し寝ようと目を瞑った。
2時間くらいで目が覚めて彼女を確認すると、うぅ、うぅ…と唸っている。
額に手をあてると、冷えピタがすでに熱くなっていた。
起こさないようにベッドから降りて、冷えピタを持ってきて1枚取り出し、額にあるものを取って新しいものに取り替える。
冷たくて気持ちいいのか、少し表情が柔らかくなった。
またゆっくりベッドに潜り込んで彼女を抱きしめる。
熱い…でも寒いんだろう、ブルブル震えている。
部屋の温度を少し上げた。
もう少し寝ようと眠ったが、少しして声が聞こえてきた為すぐに目を覚ます。
泣いとる?
「うっ、うぅ…はぁ、あ…あ、うぅ…そおしろぉ…。」
「大丈夫やよ、すぐようなるから。」
僕の声を聞いた彼女は顔を上げて見つめてくる。
やっぱり泣いとった。
スポドリを飲んだか聞くと軽く首を横に振るので、手をついて上半身を起こしスポドリを取って、少し起こして飲ませる。
「あつい…。」
「上がりきったやろか…。」
部屋の温度を下げて少し布団を剥いでやる。
熱を測らせると、先程よりも上がっていた。
トイレに行きたいという彼女を起き上がらせて、支えながら連れていき座らせて外に出る。
少し待っていると僕を呼ぶ声がする。
扉を開けてどしたん?と声をかけると、拭いてぇと言われた。
「まじか…元気なっても怒らんでな?」
世話を終えてベッドに戻り、彼女が眠ってから僕も眠った。