第20章 結婚
目が覚めると宗四郎が私を抱きしめてくれている。
腕から抜け出してベッドから降りても起きる気配がなかったので、体温計とスポドリを持って寝室を出た。
身体が軽いし痛くもない。
ソファに座って熱を測ると平熱になっていたので、寝てる間にかいた汗を長そうと思い、着替えを持ってお風呂に向かった。
宗四郎が起きてたら怒られそ…。
夜中、宗四郎が何度も起きて看病をしてくれていたのを知っている。
トイレに行って拭いてと言ったことまで覚えている。
恥ずかしすぎる…。
でも、宗四郎のおかげで、本当に一晩でよくなったようだ。
シャワーを浴びて髪を乾かし、朝ご飯を作る為キッチンに立った。
冷蔵庫を開けて、ゼリー飲料があることに気付く。
朝用に買ってきてくれたやつだ。
でも、ご飯食べれそうだし、食べた方がいいよね…。
開封していなければまだ大丈夫だろうと思い、鮭を取り出し焼いているうちに味噌汁のお湯を温める。
鮭が焼けたので卵巻きを作り、お湯に具や味噌等を入れて温まるのを待った。
時計を見てそろそろ宗四郎を起こさなければと、寝室に向かう。
本当はもっと寝ててもらいたいけど…ずっと看病してくれてたし…。
でも、訓練に行かなければいけない。
「宗四郎?起きて?」
頭を撫でるとすぐにうんと聞こえたが、起きているのだろうか?
出来れば目を開けて欲しい…。
いつまで経っても起きてる時と寝てる時の違いがわからない。
もう一度名前を呼んでみる。
「起きとる。目ぇ開いとる。」
えっと…本当に開いてるのか、ただ言っているだけなのか…どっち…。
「ご飯出来たよ。……っ!?」
いきなりカッと目が開いて驚いた。
「美影が作った朝飯……って、大丈夫なん?」
「うん、もう大丈夫。ありがとうね、何回も起きて看てくれてたでしょ?」
あたりまえやんと笑う彼にまたありがとうと笑い返した。