第4章 夜明けの相模原掃討作戦
振り続けた腕が悲鳴を上げてきた。
目の前に迫ってきた怪獣に振り上げようとしたが、腕が上がらなかった。
腕の筋肉鍛えないと…。
目の前の怪獣にいくつもの紫の線が走り、崩れていった。
「ようやったな、ここはこれで終いや。」
肉片の先を見据えると、副隊長が微笑んでいた。
その時、怪獣9号が現れたとの通信が入った。
そして、市川くんと古橋くんとの通信が途絶えたらしい。
市川くんたちのことが気にかかるが、それよりも9号に対して意識が奪われた。
市川くんたちが配属された地区に足が向かう。
たぶんそこに怪獣9号がいる。
疲弊していた身体が熱くなり、前へ前へと突き進む。
無意識に9号がいるところへと身体が動く。
そのままそれに任せようとしていたら、腕を掴まれ、意識が戻されていく。
「どこ行くつもりや。ちゃんと僕を見ぃや、そっちに僕はいいひんで。上官の許可なしに持ち場を離れるな言うとるんや。」
私にあんな怪我を負わせたやつを…キコルちゃんをあんなにも追い込んだやつを許せなかった。
怒りに身を任せて突き進もうとしていた。
ボーッとしていると、頭冷えたか?とおでこを軽く小突かれた。
「すみません、もう大丈夫です。」
怒りに身を任せて駆け付けたって、死にに行くようなものだ。
深呼吸をし冷静さを取り戻す。