第20章 結婚
そう願っていてもダメなのでなんとか彼の下から抜け出し、申し訳ないが床に横になってもらって、タオルを濡らして口を拭く。
宗四郎は嫌がると思ったが、お義兄さんの部屋にノックをし事情を話して手伝ってもらう。
「どんだけ飲んだん、お前。」
「っさいわボケぇ…。」
お義兄さんが起き上がらせようとすると離せやめろとうるさい…。
「宗四郎、ごめんね?私じゃ運べなくて…。」
「ん〜美影がええ…。」
宗四郎が私に抱きついてきて、扉に後頭部をぶつけてしまった。
結構すごい音がしてみんな起きてきてしまった。
そこまで痛くはなかったんだけど…。
「美影〜ごめん〜、許してやぁ…僕、美影がええねん…。」
重さに耐えられなくて座り込んでしまった私に擦り寄ってくる。
そういえば前も酔った時、こうやって甘えてきたっけ…。
だが、さすがに恥ずかしいぞ…。
私じゃ無理だよと笑って言うが、嫌や君がええと言って離してくれない。
「わかった、わかったから…少しは自分で歩いてね?」
どうにか彼を背負い引き摺る。
みんな驚いていたが、すぐに部屋に戻ってくれた。
一応お義兄さんにはついてきてもらい、寝室に運んでいるうちに宗四郎が寝てしまったので、倒れそうになるとお義兄さんが支えてくれた。
なんとかベッドに寝かせてお義兄さんにお礼を行って、部屋に戻ってもらう。