第20章 結婚
その後、夜に使うものを買って一度家に帰り、私がご飯を作っている間に、宗四郎がお寿司等の受け取りに行ってくれた。
ご飯をテーブルに並べ急いで着替えてメイク等をし、部屋の温度を調節して、宗四郎と一緒に最寄り駅までの道を歩く。
「めっちゃ緊張するよぉ…。」
「ははっ、僕の実家行った時もそうやったな。大丈夫やて、君綺麗やし、飯は上手いし…なんも心配いらへん。」
ギュッと手を握ってくれたので、少し緊張が和らいだ気がした。
駅につき少し待っていると先に私の母や妹がきて、その後少しして、宗四郎のご両親とお義兄さんが来た。
挨拶をすると声が掠れているのでどうしたのだと聞かれたが、ただ声を出し過ぎたと言っておいた。
宗四郎の少し後ろを歩いていると、緊張しすぎやとボソッと囁かれて、顔が熱くなる。
家につきみんなをリビングに通してから、玄関で靴を整えながら深呼吸をした。
みんな少し挨拶をしてから席に座る。
それからいろいろ話して、どうやら堅苦しい時間は終わったようだ。
「美影ちゃん飲まんの?」
お義兄さんがお酒が入ったコップを持ちながら問いかけてくる。
やはり、飲んだ方がいいだろうか…でも、すぐ酔っ払っちゃうからなぁ。
「美影、めっちゃ酒弱いから、すぐベロンベロンなんねん。」
気にしないから、飲みなさいとお義母さんたちにも言われてしまった。
「では、少しだけ…。」
一口くらいなら大丈夫なはず…。
宗四郎が盛ってくれたお酒をちびっと飲んだ。
「あれ?あ…すまん、これめっちゃ度数あるわ。」
「え?そんなの買ってたの?」
どうやら、お義父さんが好きなものらしくて、相当強いお酒らしい。
やばい、目が回ってきたぞ…耐えろ。
これ、飲んどきと弱いものを渡された。
私が今欲しいのは水…なんて言えなくて…渡されたものを少し飲んだ。
宗四郎がこっそり腰を支えてくれて、なんとか座ってられるけど、結構酔ってる。