第4章 夜明けの相模原掃討作戦
「三浦、行くで!」
顔だけを振り向かせた彼に了と返して近付く。
なんか喋ってるなと思い、顔を見た。
どうやら私ではなく、通信機の先の人物らしい。
恐らく小此木さんだろう。
小此木さんとの仲の良さにたまに妬いてしまう時がある。
でもそれはしょうがないこと。立場上よく話すことになるのだから。
それに、恋人でもない私がとやかく言うことはできない。
たまにこの関係の歯痒さに顔を顰める。
彼の少し後ろで戦力を全解放した。
今までは序盤ということで抑えていたが、あの数を相手するのだ。半端だとすぐにやられてしまうだろう。
「っ!?今なんて言うた?三浦の解放戦力62%やと…?」
「へ…?」
副隊長が振り向いて、私の顔を見て固まった。
いきなり私の名前が出てきて反応してしまったが…62?解放戦力62%って言った?
おいスーツ、なんで何も言ってくれなかったんだ。
心拍数の情報だけ言って…。
すると、彼の顔が突然破顔した。
「はっ、そうかそうか。援護はせえへんで、死に物狂いで僕についてこい!」
まるで挑発するようなムカつく顔になり、一瞬で目の前からいなくなった。
「は?ちょっ!!」
死に物狂いでついてこいってそういうこと!?
早すぎでしょ。
見失わないように必死でついて行く。