第20章 結婚
「ほんまにお前…女だからって許さへん。泣かしたやろが!!触んな、きしょいわ!」
振り払おうとしたが、がっしり掴まっていて離れない。
あの子、私としていいから置いていったんじゃないの?とわけのわからないことを言っている。
「あの子、夫や言うとったやろ。頭わいとんのか。」
「え?本当に結婚したの?あの子の嘘じゃなくて?」
嘘やとしたらすぐに訂正しとるやろ。
美影とあんな関係になる前はほとんどこいつとやっていたから、調子乗ってる。
あの子と付き合いながら私に会ってた?浮気?と気持ち悪い笑みを浮かべながら聞いてくる。
なんで僕、こんな女と関係持ったんや…。
「会ってへんわ。ほんまうざい。もう話しかけてくんな。」
無理やり引き剥がすと尻餅をついたようだが、どうでもいいからすぐに美影を追いかけた。
あー、ジャージ着て来んかったらよかった。
すぐ撮られて騒がれるやん。
すでに電車に乗っていたら追いつけない。
駅につくと電車に乗り込む彼女が見えたので急いで追いかけた。