第4章 夜明けの相模原掃討作戦
「三浦待て。それ以上行ったら見えんようなる。一旦僕のとこ戻って来い。」
「了!」
急いで副隊長のところへ戻る。
副隊長のところまで戻ると、私の姿を見て驚かれた。
そして、笑った。
「ええやないか。その返り血の量がお前が倒した怪獣の量や。」
少し荒々しく私の頭を撫でるとマスクを取り、顔についた血のようなものを拭ってくれる。
みんなは銃での遠距離戦の為、あまり返り血は浴びない。
だが、私や副隊長のような近距離戦を得意とする者は、身体中に浴びてしまう。
副隊長は先輩と話してるらしい。
どうやら、余獣の核と余獣にも増殖器官があるのを発見したようだ。
さすが、日比野先輩だ。
その情報は、小此木さんによって全員に共有された。
髪傷むなあと思いながら副隊長の少し後ろで、本獣への攻撃が始まったのを知り、そちらを向く。
「カフカ、よう見とき。」
耳に手をあてながら本獣を見据え、先輩に話しかけている。
亜白隊長の攻撃が巨大な本獣の胴体を貫いた。
「これが、お前が隣目指しとる人の力や。」
あれ程の威力を人が出せるのか…。
あまりの威力に息を飲む。
その凄まじい威力の大砲のような攻撃が、2弾、3弾、4弾と、大破した本獣に撃ち込まれていく。
副隊長である彼も、あれと同等の力を持っているというのか…。
あれ程の派手さはなくとも、近しいものだろう。
私はそんな人のようになりたいと憧れ、同等の力を持ち隣で戦おうとしてる。
彼の強さを想像し、少し手が震えた。
もう一度、彼が戦う姿をこの目でしっかり見てみたい。
あの時は本当に一瞬でなにも見えなかった。