第4章 夜明けの相模原掃討作戦
核の位置はわからない、でもキコルちゃんのように圧倒的なまでの力を叩き付ければいけるだろう。
地面を蹴り高く跳び、キノコ型の怪獣の頭を目掛けて刀を振り降ろした。
すると怪獣は真っ二つになって息絶えた。
血のような体液が目の下に飛び散った。
「うげ…。」
なんでちょうどマスクの上にかかんのよ…。
手の甲でそれを拭って、他にいないか周囲に視線を送る。
先輩にナイスと言われたキコルちゃんのスーツが急激な心拍数の上昇を報告した。
怪獣どころか、なんとも微笑ましい情報が私の目と耳に入る。
ほんの少し和んでいたとこに急に副隊長の声が鼓膜を震わせた。
「三浦、いけたな。そのまま突き進め!僕がちゃんと見とる。」
「っ!了!」
三浦いけたながめっちゃ色っぽかった…。
ダメ、止まって私の心臓ー!!
キコルちゃんの二の舞になっちゃう…!
『バイタル異常。急激な心拍数の上昇。』
「ぎゃああああっ!!」
「っさいわボケ!繋いだまま叫ぶな!このエロ娘っ!!」
「すっ、すみません!!」
エロ娘ってなに…。
確かにあの時の副隊長のこと考えてたけど、考えてただけだし…そんなこと彼が知るはずないし…。
というか、絶対狙って言ったよね…。
こんな時に…。
副隊長の笑い声が途切れて、頭を切り替える。
こんなことをしてる間にも死人が出るかもしれない。
銃を扱うみんなの邪魔にならないように気を付けながら怪獣を斬って斬って斬りまくる。
もう返り血がいくらついても気にはしていなかった。