第20章 結婚
結婚やめにしよかと言われて、やだとごめんなさいとすぐ謝れば、また溜め息を吐かれた。
「そんなんやから無理や言うとるんや。嫌だ言うときながら、すぐ僕に縋る。謝るんやなくて、ちゃんと全部言いや。浮気かて、すぐ許して…。」
あんなに許してくれって言ってたくせに…。
もう上がるから早く立てと言われても俯いたまま座ってると、気が済むまでそうしてたらいいと、浴室から出ていってしまった。
じゃあどうしたらいいの?
すぐ許さなかったらよかったの?
そしたら、別れることになったんじゃないの?
涙が止まらない。
服を着た彼は電気消すでと言って、消していなくなった。
真っ暗な浴室で子供みたいに意地を張って、自分がバカみたいに思えた。
本当にバカなんだろうけど…。
どのくらいか浴室で泣いたままでいると、寒くなって、寂しくなって、身体の水分はすでに乾いていたのでそのまま寝室に向かった。