第20章 結婚
「結婚は反対しない。けど、許したわけじゃない。お姉ちゃんをあんなに泣かせた人を許せるわけない。私にとってお姉ちゃんは何よりも大切だから。」
妹がそんな風に思ってくれているなんて知らなくて、驚いたと同時にとても嬉しくなった。
「ありがとう。許さへんくていい、許されないことをしたんやから。僕も、君のお姉ちゃんが何よりも大切や。」
そう言って笑った彼を見て、胸が温かくなった。
「お姉ちゃんは…あの日…5年前のあの日、本当は自分も怖いくせに、私が失くしたものを探しに行ってくれた。あの日からお姉ちゃんは私にとって、なによりも大切なものになった。」
あれだけで!?
たったあれだけのことで、そんな風に思ってくれていたの?
失くしたものは見つけられたのだが、結局助けてくれたのは宗四郎だ。
宗四郎が、そういえばあの時なんか持ってたなと私を見てきた。
それだよと返すとめっちゃいいお姉ちゃんやんと頭を撫でてくる。
恥ずかしいからやめてくれ…。
その後、両家の顔合わせはどうするのかとなり、先に行った方がいいということなので、宗四郎が両親に連絡をしたら、そちらに合わせると言ってくれた為、急だが、明後日行なうことになってしまった。
話がトントン拍子に進み、ついていけなくなりそうなのを必死で踏ん張る。
明後日って…準備出来るだろうか。
だが、9号がいつ現れるかわからない為、どうしても早めにしないといけない。
宗四郎の家で行なうことになったのだが、いろいろ準備をしなければいけない。
とりあえず、時間や服装等を決めて今日は帰ることにした。