第20章 結婚
その後も足を離さずにいると、アフピル…と呟きながら私の横に手をついて、ヘッドボードに置いてあるスマホに手を伸ばす。
その手を掴んで私の胸に置かせた。
「もっと…もっとっ…いっぱいナカに出して…孕ませてっ!」
「嫌やったんちゃうんか?9号のことが解決するまで、作りたくないんやろ?……なぁ、なんでそんなコロコロ変わるん?」
だって、だって…宗四郎があんなことするから…。
何かに気付いたのか、表情が柔らかくなった。
「そんな必死ならんでも大丈夫やから。僕のせいやろ?ほんまにもう、美影以外とせぇへんから…自分の気持ち、大事にしぃや?」
自分の気持ち…それはもう抑え込むと決めたの。
「わかった…飲むからっ、だからっ…もっと私のナカに出して…。」
「いや、もう出えへんて。まだやりたいん?なら、指で我慢してや。」
まだ私のナカにいる彼は、先程みたいに大きくなる気配はない。
ほんまはする気なかったんに…と呟く彼の言葉を聞いて、心が冷えていった。
なんか、許してから冷たい気がする。
本当に気がする程度だけど。
もういいと言って少し明るくなった部屋から出て浴室に向かう。
腰が痛い…足もちゃんと力が入っていないので、フラフラになってしまう。
すぐに許さなかった私が悪いの?
あんなに冷たくしたから?
もうどんな風に扱っても離れないと思ってる?
離れないよ…好きだから。
ほら、こんなにフラフラなのに来てくれない。
宗四郎だってシャワー浴びたいんじゃないの?
わかったよ、全部気付かないフリする。"単純なやつ"なる。