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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第4章 夜明けの相模原掃討作戦


討伐地区に到着し、日比野先輩やキコルちゃんと共に保科小隊として、地区Eでものすごい数の余獣を討伐する。

本獣は亜白小隊が討伐することになっている。

毒キノコのような見た目をした怪獣だ。
本獣はものすごく大きい。
ゆっくりと近付いてきている。


私たち新人がいる小隊は最後尾での配置になるが…。


「君らが最後の砦。ということや。」


顔だけを振り向かせた副隊長の言葉に私たちはより一層気を引き締める。


副隊長は質問あるかと言うが声をあげる者は誰もいなかった。

そして彼は少し前に歩を進める。


「訓練場でいくらいい成績を出しても、命は一つも救われない。戦場で力を示してみせろ!ヒヨコ共!」


その言葉を聞き、古橋くんの気合いが通信機から聞こえてくる。
みんながその声に答えるように雄叫びをあげた。


副隊長に呼ばれたので、私は彼に駆け寄った。


「今回はこれを使ってみぃ。」


腰にはしっかりと2振り携えているのに、どうして手に刀を持っているんだろうと思っていたが、私に渡す為だったのか。


「しかし、本当に私に扱えるんでしょうか?」


「そんなん考えとる暇はない。これが使えんかったらお前ももう後がないぞ。僕の隣で戦いたいんやったら、ものにしてみせろ!」


そうだ、日比野先輩程ではないが私も解放戦力が低すぎて、このままだったら防衛隊員として戦えなくなる。
どんなにトレーニングをしても最近は解放戦力も伸び悩んでいる。

もう、これに賭けるしかない。


「了!」


副隊長の手から刀を受け取った。

これは私の専用武器ではない。専用武器が与えられるのは、副隊長格からのはずだ。

短刀のような短さのこれは、保科副隊長が使っていたものだろう。
鞘や柄には傷が付いている。
鞘から刀身を抜いて見ると、刃こぼれ等は一切ない。
丁寧に手入れされているようだ。

もう一度刀身を鞘に戻して、副隊長にお礼を言った。


通信機から小此木さんの声が聞こえ、地区Eに余獣が進入したことを伝えられる。

私たちの初任務……怪獣討伐が始まる。

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