第19章 偽り
僕が悪かったから虐めんといてと頭を抱えて呟いている。
耳まで真っ赤だ。
「ご、ごめん、お母さんに聞かせる為だったんだけど、宗四郎の反応見てたら止められなくなっちゃった。」
ソファの上で押し倒されて、耳元で何度も好きと囁かれた。
「好きや、ほんまに好き。誰にも取られたない、ずっと美影だけを見とる。大好きや……愛しとうよ。」
「ひんっ…!?」
恥ずかしくなって横を向いて顔を隠すと、唇が触れてしまいそうなくらい耳に近付いて、吐息をかけながら好きと囁いてくる。
うぅ…やりすぎた…倍返しされてる…。
大好きな人に大好きな声でそんな風に愛を囁かれたら、おかしくなってしまう。
今度は完全に唇を耳にくっつけて愛しとると囁いてくる。
擽ったくて肩を上げてしまった。
唇を開き口の中で舌を動かしていて、たまに耳に触れる舌先と水音で、ブルブルと身体を震わせる。
もう限界だ、これ以上されたら本当におかしくなる。
「もうやめてぇ…。」
「ふっ、美影からしてきたんやで?……ちゅーしてええ?」
顔を彼の方に振り向かせると、意地悪く笑っていると思ったら、薄く目を開けて私の口を見つめてきた。
目を閉じて少し待てば優しく唇が触れて、すぐに離れた。
もう終わり…?
もう寝よかと言って私を抱き上げて寝室に連れて行かれる。
続きはベッドでするの?
ベッドに降ろされると、服を脱がせられた。
ショーツだけは脱がさずにどこかへ行ってしまった。
え、なんだろう…?