• テキストサイズ

あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第19章 偽り


これ…とずっと手に握っていたものを差し出す。

それを確認すると彼は目を見開いて、ええの?と聞いてくる。


私のものだってもらったのだから、私の好きなようにさせてもらう。

それにもうこれは、彼のものだ。


宗四郎はソレを受け取って、元々あった親指にはめた。


「ねぇ、私は?私にはくれないの?」


左手を彼の前に翳すと、急いでテーブルの上にあるリングケースを取って、丁寧に薬指にはめてくれた。


「大好き…初めてこんなに好きになった。きっともう…宗四郎以上に愛せる人なんていない。」


私にはあなたしかいないのと彼の目を見つめると、目を開いて見つめ返してくれる。

僕もやと笑った。


すると彼は立ち上がり、紙とペンを持ってきた。

浮気誓約書を書いてくれと言われた。


どんなことを書けばいいかわからないので、調べながら書いて、それを彼に渡す。

彼は署名して印鑑を押した。


「絶対別れたないから、もう他の女に手ぇ出したりせぇへん。」


誓約書を私に渡して、もう一つ書いて欲しいものがあると紙を渡してきた。


「婚姻届…?」


すでに彼の名前は書かれている。


「それな、君と付き合い始めてすぐ書いたねん。絶対結婚する決めとったからな……もし、今すぐ書きたなかったら、いつでもええから…いつか書いてくれへん?」


私は今すぐにでも書きたいが、今回のことを家族に言ってしまった。

許してくれるとは思えない。

/ 591ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp