• テキストサイズ

あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第19章 偽り


「帰る。」


「え?……待って!ごめん、もうセックスしたいなんて言わへんから…。」


帰ろうと彼の頭を寄せて立ち上がると、しがみつかれて必死で止められる。


どうせあなたは言う気がないのだろう?
私が初めての恋人ではない、あの人と付き合ってたって。

ちゃんとあなたから言ってくれたら、そのことは許すのに。


「ねぇ、もういい、保留もなし。さようなら。」


「え、待ってや!謝るから行かんで。」


「嘘をつく人とこのまま一緒にいれると思う!?別れる!」


彼の手を振り払って出て行こうとすると、腕をギュッと握られて力が強すぎて痛かった。


嘘とはなんのことだと言われるが、なんで私から聞かなきゃいけないの。


待って…。

少し冷静になって考える。

彼女が嘘を言っているようには見えなかったけど、嘘だとしたら?

彼からちゃんと聞かずに決めつけたらいけないのではないか?


でも、私から聞いて嘘だったと言われるのも嫌だ。


「なんのことかわからない?私の口から言わなきゃいけないの?あんなこと…。」


目を開いて困惑した瞳で見てくる。


「本当に、私が初めての恋人?」


目を見開いて、なんで知ってるのかと言っているようだ。


なんで私がこんなに苦しまなきゃいけないの?

ただ、あの日助けてくれた人に憧れて、好きになっただけなのに…。

/ 591ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp