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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第18章 須臾


演習場についてまだ時間がある為、先にご飯でも食べようと思ったが、どこか使ってもいい部屋がないかとキョロキョロとしながら廊下を歩く。

途中で亜白隊長に会ったのですぐに敬礼をして挨拶をすると、早いなと笑った。

これからご飯なのでとコンビニの袋を翳す。


亜白隊長と別れて歩き出そうとすると、彼女と話している彼が私の袖を掴んできたので、立ち止まって少し待ってあげた。

話が終わるとすぐに私の隣に来たのでそのまま歩き出したが、ずっと袖を掴んでいる。


誰もいなさそうな部屋の前で止まって使ってもいいのか聞くと頷いたので、その中に入って彼を座らせて鞄の中からコームを出す。


こんなボサボサなって…。

いつもサラサラの彼の髪が、必死に私を追いかけていた為、ボサボサになってしまっている。

どうせ訓練でボサボサになるだろうが、ちゃんとしていた方がいいだろう。


コームを髪に通すと引っかかることなく、気持ちよく通っていく。


「ありがとう。」


嬉しそうにそう言うので少し口角を上げた。

後ろに立っているのでそれがバレることはない。


終わったよと声をかけると振り向いて私を見上げるので、頬を両手で包み込んだ。


「うん、かっこよくなった。」


微笑むと彼が嬉しそうに笑う。

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