第18章 須臾
彼の腕の中から抜け出して、準備をする為にリビングに向かう。
彼もすぐ追いかけてきたようだ。
「なぁ!ほんまにごめんて!そないなこと言わんでや!!」
無視をしたたま髪をゴムで結んで歯磨きをし顔を洗う。
化粧水と保湿クリームは落ちてしまっただろうか。
ちょろちょろ追いかけてきて、いい加減鬱陶しい。
準備をしないと間に合わなくなるのに。
着替えて玄関に向かうと、待ってとジャージを着て追いかけてくる。
そうやって、私のことだけを見て追いかけていればいい。
他の人なんか見なければいい。
電車に揺られながら第二台場の最寄り駅について、近くのコンビニに寄った。
トイレに行くから待っててと言われる。
それも無視して軽食や飲み物を買ってコンビニを出た。
お腹でも痛いんだろうか、まだ出てこない。
少しコンビニの前で待っていると、慌てて私のとこまで来る。
顔でも洗ったんだろうか、先程よりすっきりしている。
前髪が少し濡れていて頬に水滴がついていたので、それを袖で拭ってあげて演習場に向かった。