第18章 須臾
保湿クリームを塗り終わったのか、頬に手を添えて私を見つめてくる彼の胸の服を掴んで引き寄せて、その胸に額をつけた。
「頭痛い…。」
「あんな泣かせてもうたもんな。ほんまにごめん…。」
まだ許してはいないのに甘えてしまう。
彼がそれを許してくれるとわかっているから。
今日見学するかと聞かれるが大丈夫だと言って、彼を隣に横にならせる。
結局その後は2人とも眠ることが出来ず、起きなければいけない時間になってしまった。
頭痛はまだ薬が効いているのだ、今は大丈夫そうだ。
「なぁ、どこまでがえっちなことなん?唇以外やったら全身にキスしてええ?」
いきなり何を言っているんだ。
私とじゃ、ただ一緒にいるだけだと飽きるとでも言うのか。
眉間に皺を寄せて彼を見ると、焦ってすぐに謝りなんでもないと言う。
やっぱり、彼はただしたいだけなんだろうか。
結婚すれば、いくらでも出来ると思っているから、するのかな。
彼の性欲が人よりすごいことはわかっている。
でも、それなら私じゃなくてもよかっただろう。
「したいだけなら他の人にいったらどうですか。私に拘る必要ないでしょう?ほら、昨日口でしてもらった、綺麗なお姉さんなんてどうです?」
この話を掘り返したくないのに、思い出したくもないのに…すぐにマイナスなことを考えて彼にきつくあたってしまう。