第18章 須臾
喉が乾いて目が覚めると、宗四郎に抱きしめられていて動けなかった。
そっと腕を寄せて起き上がりベッドから降りようとしたら、服の裾を掴まれて振り返る。
起こしてしまったようだ。
ごめんと謝る。
「ん、トイレか?」
首を横に振って喉が乾いたと伝える。
「そこに置いとるから飲んで。喉乾く思て置いとったん。」
「ありがとう。」
そこまで考えて行動してるなんて…さすがだ。
微笑んでお礼を言って、ペットボトルを手にして水を飲んでから、また彼の胸に収まった。
こんなに甘えてしまって何をしているんだ。
でも、彼の傍が一番落ち着く。
あんなことがあったのに、私には彼がいないとダメなようだ。
私が寝てる間に何かしていないだろうか?
でも、触られたら目が覚めるはずだから、何もしていないんだろう。
前は話したいと言っても聞く耳を持たず、無理やり抱いてきた。
反省してるのかな…?
あれから少し寝たがすぐに目を覚ましてしまった。
頭が痛い…。
あんなに泣いたのだ、痛くもなるだろう。
脇腹に硬いモノがあたっているが無視して、リビングに置いたままの鞄から市販の鎮痛剤を出して、寝室から持ってきた水で流し込む。
寝室から何やら物音がする。
起きたのだろうか。
ん?呼んでる?
私を呼ぶ声が聞こえてすぐに寝室に戻ると、思いっきり抱きつかれた。
「美影っ…!いななってしもたんかと思た…。」
私の名前を何度も呼びながら大事そうに抱え込んで、髪に頬を擦り付けてくる。
まだ勃ってる…。
「なにしてたん…僕から離れてなにしてたん?やっぱ嫌なんか?僕といたくないんか?なぁ…。」