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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第18章 須臾


あーほんまに泣かせすぎた。


僕の腰に足を巻き付けたまま眠ってしまった彼女を見る。


美影があんな風に…あんなに泣くと思わんかった。

それだけのことをした。


少し頭を撫でてから腰に巻きついた足を離し、濡れた服を着替えて、冷たいタオルと温かいタオルを持ってきて、彼女の目に交互にあてた。

美影の泣き腫らした目見たら、亜白隊長に殺される。


どのくらいかタオルをあててから、ベッドに寝かせようと思い、起こさないようにゆっくり抱き上げて運ぶ。

ベッドに降ろして額に口付けた。

キスしない言うてたけど、大丈夫よな?
ほんまは口にしたいけど、それはさすがにあかんと思い我慢した。


下着はつけてなかったよなと先程擽った時にそれらしき感触がなかったのを思い出して、そのまま布団を掛けた。

そういや、ナイトブラとか届いたけど…今日はええか。


あんなに泣いていたので喉が乾いて目が覚めた時の為に水を持ってきて、ナイトテーブルに置いておいた。


僕も布団に潜って彼女の隣に横になる。


「ほんまにごめん。いくら謝っても意味ないよな。でも、ごめんなあ?」


彼女の肩に手を回して軽く抱きしめる。


好きな子こんな泣かして、ほんま僕、なにしてるんやろ。


隊長たちの前であんな縋って…他のことはもうどうでもいいから、君だけは離したくなかった。

自分でその原因を作ったくせにアホやわと自嘲した。


彼女の目を見ると、また少し睫毛が濡れている。

寝ながら泣いてるん?

トラウマ植え付けてしもたやろか…。


「君が好きや、美影。ほんまに君以外どうでもええねんで?僕。」


彼女の頭にまた口付ける。

愛しい…彼女がどうしようもなく愛しい。


彼女の泣きじゃくる姿を見ていると、自身の胸も締めつけられて僕も泣きそうだった。

でも、そんな資格ないから我慢した。


明日、みんなに謝らんと…。


美影、愛しとる。

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