第18章 須臾
「つけてくれるん?」
なんていい笑顔なんだ…。
でも、まだつけることは出来ない、保留中なのだから。
首を横に振ると、あからさまにシュンとなり眉を下げる。
「それはまだ副隊長が持っててください。反省したらまたもらいますね。」
ニコッと笑うと、彼は眉間に皺を寄せる。
当たり前だろう、まだつける気になんてなれない。
「副隊長やめてくれ…名前で呼ばれたい。敬語も嫌や!」
そっち?
嫌ですとまたニコッと笑うと、美影〜と顔を胸に擦り付けてくる。
こんなとこを見られて、彼は恥ずかしくないんだろうか。
「こいつが、恋愛に対してこんなに不器用だとは思わなかった。三浦、嫌になったらいつでも言ってくれ。隊員を守るのは私の務めだ。」
ありがとうございますと答えると、3人は部屋を出ていった。
「で、あなたは私に何をしてくれるんですか?私は譲歩しましたよ?すっごく傷付いたんですから…。」
「ほんまにごめん〜。とりあえず飯食いに行こ?ほんで、僕ん家行こ?」
家に行って何をするつもりなのだ。
家に行ってこの男が何もしないとは思えない。
でも、えっちはしないと言ったのだ。
何かしてきたら、問答無用で突き放してやる。