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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第18章 須臾


ここで許したらどうなるの?浮気は1回許したら次もするとよく聞くけど…。

もう一度彼を信じたいと思う自分がいる。

泣いて縋る彼を愛しいと思う自分がいる。


結局、先に惚れた方の負けなのだろうか。


「とりあえず、保留にします。その間は、キスもえっちなこともしません。あなたが反省したとわかったら許します。でも、それが感じられなかったら、本当に別れます。」


ありがとうありがとうと何度も呟いてグリグリと顔を押し付けて、大好きやと涙を流しながら微笑んだ。


好きだから離れられない、と悟られてはいけない。
あなたが反省したから許したのだと、上位に立っていないと、次また裏切られたら…壊れてしまう。


というか、さっきからめっちゃ押されるからフラつくし、しがみつかれているから倒れそうになってしまう。

椅子を引っ張って膝を開いて座ると顔が胸のところに来てしまい、そのままギュウと抱きしめられた。


すると、部屋の外にいたのか、長谷川副隊長と亜白隊長、日比野先輩が中に入ってくる。


「引き剥がして欲しければ、引き剥がすぞ。」


亜白隊長が拳を握った。

引き剥がすのに何故、拳なのですか…。


「もう大丈夫です。迷惑かけてすみませんでした。」


許したのか?と目を見開いて聞いてくる。

許してはいないけど、とりあえず婚約破棄は保留ですと笑って答える。


急に宗四郎が顔を上げてきたのでなんだろうと思っていると、テーブルに置かれたリングケースを手に持ち開いて、じっと見つめてきた。

え、なに…?

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