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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第16章 10号


宗四郎さんは服を着て机の上にある通信機を耳につけると、小此木さんに繋ぎ第6に連絡出来るようにしといてくれと伝える。


小此木さんとの通信を終えると、次は亜白隊長に繋ぎ後で報告があると伝えた。


彼が通信している間に急いでご飯を食べ終わると、オペレーションルームに行こうと手を引かれる。


「ご飯は?」


「あー時間あらへん。」


食べなきゃダメだろう。

手を引かれながら机の上にある袋とお茶を持ってついていく。

本当は冷蔵庫にある飲み物を持ちたかったのだが、手を引かれているので諦めた。

それに早くお茶を飲みきらないと…。


オペレーションルームにつくと、第6と連絡を取れる状態になっていたので、宗四郎さんはすぐに連絡を入れる。

というか昨日、自分のスマホからお義兄さんに連絡したのではないのか?

仕事のことだからだろうか。


彼は第6に私のことを伝えると少し小此木さんと話してから、亜白隊長のところへ行こうと手を握る。

けど、手が袖に隠れていたので違和感を感じた彼は、手を持ち上げ確認すると、吹き出して笑って、袖を捲る。

そんなに笑わなくてもいいだろう…。


今度こそ手をちゃんと握ってオペレーションルームを出た。


隊長室の前につき、宗四郎さんは声をかける。

中から声が聞こえたので一緒に入室した。


彼は隊長に、私がナンバーズ10の予備を使用するかもしれないので、適性検査をすることを伝える。


「わかった。だが、いいのか?特に保科。ナンバーズを装備することになれば、その分、前線に行かなければならない。三浦は近接メインだからな。」


今よりももっと危険な場所に行かなければならないと言っているのだろう。


「僕と同じところまで来て欲しいんです。隣で戦ってもらいたいんで。」


無理だと言うこともしなければ、安全なところに閉じ込めて置きたいという、私の気持ちを否定することもしない。

そんな彼だから、もっと近付きたいと思えるし、愛しているのだ。


亜白隊長はそうかと笑って、早く適性検査をしろと私たちを追い出した。

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