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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第16章 10号


10号が私を呼んでいるらしい。

私が来たことを知っていたのか。


10号がどうしても今じゃないとダメだと言うので、呼び出したとのことだ。


小此木さんが10号がいる部屋と通信を始める。


どうしたのと話しかければこっちに来いと言われ、宗四郎さんと一緒に向かう。

何か大事な話でもあるのだろうか。


肩にかけていたジャージに腕を通し、一応動き易いようにしておく。


「保科!予備のスーツと刀は作ったよな?それを美影にやる!」


ん?
予備のスーツと刀?

なんのことだかさっぱりわからないが、宗四郎さんがアホか!と怒っている。


話を聞いている感じ、言葉での意思疎通は出来ないが10号の怪獣兵器のスーツと刀を作ったから、それを私にやれと言っているようだ。

10号のユニ器官を備えているスーツと刀…ナンバーズではないか。


何故そんなものを私に…。


「美影の強さは、戦ったからよく知っている!」


「やから、僕のより短く作れ言うとったんか……ちゅーかお前、なんで美影って呼んどるん?」


そこ?
どこに引っかかってるんだ。

お前が美影美影うるさいからだと宗四郎さんに訴えている。


扱えるかわからないが、使ってみたい…けど、許可は出るのだろうか。


10号が、お前ら2人は似ているから大丈夫だろうと言うが、似ていると言っても銃器の解放戦力が低く近接に特化していることくらいだ。


「美影、明日第6に帰れるかわからんくなったぞ。お前が適合者かどうか調べる。」


仕事モードの宗四郎さんだ…。


「同調の兆しがあれば、すぐにでも装備して訓練を行う。その場合、第3に帰ってきてもらうぞ。」


「了!」


姿勢を正して敬礼をする。


もう話は終わったようで10号の部屋を後にしようとすると、10号が宗四郎さんに、今夜は程々にしてやれよと声をかけた。

一瞬なんのことかと思ったが、宗四郎さんが睨んだ為、考えないようにした。

たぶん、あっちの話だろう…。


部屋を出ると彼は耳に手をあて、小此木さんに明日の準備を頼んでいる。

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