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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第15章 不信


「いいの?さっきも私が寝たからやめてくれたんでしょ?」


「ん、ええ。今日はもうせぇへん。一緒にいれるだけで幸せやから……したいん?」


したくないと言えば嘘になるけど、どうしてもしたいわけではない。

このままゆったり過ごしたい。


首を横に振って、彼の胸に顔を乗せた。


「なに、甘えとるん?」


可愛いと呟きながら頭を撫で、そのまま髪をひと束持ち口に近付けると、優しくキスをした。


ふふっと微笑むと、君も幸せそうやなあと笑う。

好きな人といるんだから当たり前だろうと彼を見つめた。


「そや、もしまた僕が、君が嫌がることしたら、すぐ言うてくれ。今回みたいに拗れるんは嫌やから。」


うんと頷いて、顔を彼の胸にグリグリと押し付けて匂いを嗅んでいると、それ息出来てるん?と笑われた。


「ぷはぁっ!出来てない!」


押し付けすぎてほぼ息を出来ていなかった。


あははっと笑って乱れた髪を耳に掛けてくれる。

髪を耳に掛けてくれた手をそのまま頬に添えて包み込んでくれる。

温かくて気持ちいい。


その時、机に置いていた彼の通信機が鳴る。


頬に添えている手が私の顔を引き寄せ、唇が重なった。

すぐに唇を離すと、ごめんなと言って起き上がる。


通信機を耳につけて、誰かと話しているようだ。

どうやら、会話の相手は小此木さんらしい。

今じゃないといけないっぽい。


「美影か?おるで。…わかった、今から行く。」


私?

首を傾げていると、机の上から下着を取りTシャツを脱がされた。

肩紐を持ち待ち構えているので腕を通すと、抱きしめるように背中に腕を回してホックをつけてくれる。

そしてまたTシャツを着せられた。


ファスナーを開けたまま着ていたジャージを脱ぐと私の肩に掛けて手を握り、行こかと笑う。

私も行っていいんだ…。


そのまま2人でオペレーションルームに向かった。

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