第3章 辛苦
どうしたんだろう…副隊長がこんなことをするなんて…。
私の肩に乗っかった頭を撫でながら、それに顔を擦り寄せた。
「す……すっぽん。」
「は?なに言うとんのや?」
好きと言いかけて慌てて訂正した。
もう抑えられなくなってきてる。
これ以上副隊長に甘えていたら、全部言ってしまいそう…。
突拍子もない私の言葉に驚き顔上げた彼は、呆れたように笑った。
「アホやろ、ほんま。すっぽんって…なんやねん。アハハハハ!」
堪えきれずに大笑い。
八重歯を見せて大口で笑う彼を見て、つられて笑ってしまう。
一頻り笑った後彼はほんまに話があんねんと真面目な顔になった。
どうやら、解放戦力3%(今は7%だが)の私が余獣を簡単に斬ってしまうので、適正審査をしなければならないようだ。
刀剣の解放戦力を測定しなければいけないらしい。
もし刀剣の解放戦力も低ければと思い、結果を知るのが怖くて断ってしまった。
本来断れることではないと思うが、あとで直接私が亜白隊長に話すことで納得してもらえた。
どうせ近い内に隊長のとこに行こうと思っていたのだ。
丁度いい機会だ、明日行こう。