第15章 不信
目が覚めると部屋が真っ暗になっていて、すぐにスマホで時間を確認したら、22時を過ぎていた。
え、そんなに寝たの?
帰れない…。
服…これ、宗四郎さんのだ。着替えさせてくれたのかな。
ブラが机の上に置かれていて、他の服はハンガーに掛けてあった。
もしかして、途中でやめた?
続けてたら、気付くはずだ。
さすがに寝てる相手にそこまでしないか。
とりあえず、どうやって帰るか考えないと。
どうして起こしてくれなかったのかな…。
部屋を出て副隊長室に出るとまた彼は仕事をしているようだ。
「起きたん?まだ眠いんやない、大丈夫か?」
あんなに寝たのに何故そう思うのだろう。
「ほとんど寝てなかったんやろ?第6には連絡しといたから、明日帰りぃ。」
何から何まで…優しく笑う彼を見てありがとうと言った。
腹減ってへんか?と問われたので頷く。
今日はお昼を食べてからほぼ何もしていないが、お腹は空くらしい。
彼は机の上の物をしまうと一緒に部屋に戻る。
小さな冷蔵庫の上にある袋と中からペットボトルを出して、水とお茶どっちがいいか聞かれたので、お茶と答えた。
「僕、美影の好きなもんなんも知らんやなぁ思うて……好きなの食い。」
少し寂しそうに笑いながら袋を渡してきたので、お礼を言いながら受け取り中身を確認する。
鮭おにぎりを手にして食べ始める。
おにぎり好きなん?具は鮭?といろいろ聞いてくる。
好きというか、気分によって違うんだが…。