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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第15章 不信


「ふっ、ははっ…勝手にナカに出して、勝手に子供欲しいからアフターピル飲むなって、飲んだら、自分の思い通りにならないから怒って?それで好きにして欲しいって?すごいね。」


スマホの画面を見ると、眉間に皺を寄せた彼が映っている。


私、なんでこんな怒ってるんだろう。
もうアフターピルを飲んだから大丈夫なのに、宗四郎さんも謝ってくれたのに…なのに、イライラする。


こんな風に怒る私を初めて見たからか、彼は少しの間固まっていた。
それか、何か言い訳を考えているのか。


「謝ったやろ。それに君かて、子供欲しくない理由言わんし、飲む前に一言言えたやろ。なんなん、なんでそんな怒ってるん?」


「謝った?自分の触りながら謝るのが、宗四郎さんの謝り方なんですね。それに、メッセージで謝られたって意味ないですよ。」


9号がいつ現れるかわからないのに子供を作ってる場合か、と笑った。

アフターピルのことは素直に謝った。
でも、飲む前に言ったとしても、飲むなと言われていただろうなと心の中で呟く。


眉間に皺を寄せていた彼は、今度は眉を八の字にしている。


もうええと通話を切られた。

意味わかんない、なんで切るの?
まだ話は終わってないじゃん。


もう一度かけてみたが、彼が出ることはない。

諦めてメッセージを送る。
なんで勝手に切るの、と。

すると、すぐにメッセージは返ってきた。

《あのまま話しとっても、君怒ってるだけやん。嫌われたないねん。怒らんといてや。》


意味がわからない。
嫌われたくないなら、あのままちゃんと話せばよかっただろう。

なんかもう、いいや。

《そうですか。なら、これからは全部あなたの言いなりなりますね。そういう子が好きなんでしょう?》

私って怒ると敬語になるんだ。
しかも、結構面倒臭い…。


返信が来たがそのまま無視してスマホを枕の横に置き、中途半端に脱いでいたズボンを脱いで布団の中に潜った。


私は今日非番だが彼はそうではないので、行ったとしてもほとんど話は出来ないだろう。

話せる時間はたった1時間…わざわざ行くべきではないだろうか?

会ったとしても、喧嘩ばかりになってしまうだろうか…。

本当はただ会いたい…。


少し、時間を置こう…。


とりあえず今は寝ようと思い、考えるのをやめた。

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