第15章 不信
宴会が終わり、メッセージを確認すると声が聞きたいと来ていたので、すぐに電話をかけてみた。
まだ酔いは醒めていないが部屋で水を飲みながら、呼び出し音が切れるのを待つ。
「美影?っ…ほんまにごめん、んっ…許してや。美影、声聞かせて…はぁ、好きや…。」
泣いてる?
いや、この声……。
「宗四郎さんえっちなことしてるのー?」
「ん、君のパンツ、んっ、顔に押し付けてたら、したなってもうたっ…。」
パンツってなんのことだと思ったが、前にえっちなのを履いてしたことを思い出した。
そのまま置いたままだったっけ…。
というか、顔に押し付けるって…何をしてるんだ。
謝ってるけど、そんなことしながら謝られても…。
私まだ怒ってるよ。
確かに勝手にアフターピルを飲んだのは悪いと思ってる。
なんか喋ってくれと言われるが何を言えばいいのだろう。
「気持ちいい?」
「んっ、気持ちええ…美影のえろい声も聞きたいっ…クリ触ってや。っ…はあっ…。」
そういう気分じゃないと言えば、僕がオナってる声聞いてそういう気分ならへんの?と聞かれ、バレないように溜め息をついた。
さっきまであんなんだったのに、逆に何故そういう気分になれるのか。
このまま我慢すればいいのか、それとも嫌なこと全部言っちゃえばいいのかわからない。
一人で盛り上がっている彼と話していると、だんだん冷めていく。
嫌いになったわけじゃない、むしろ普通に好きだ。彼のことを愛している。
それは変わらない。