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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第15章 不信


「クソっ!!」


繋がらないスマホをベッドに叩きつけた。


なんでなん?美影は僕との子欲しくないん?


離れていて、彼女の顔を見ることが出来ないからか、だんだんと不安が大きくなっていく。


本当はあんなこと言いたかったんじゃない、怒鳴りたかったんじゃない、ただ彼女の声が聞きたかっただけだ。


ベッドにうつ伏せになり、枕に顔を押し付ける。


「会いたい…。」


離れてから数日しか経っていないのに、彼女に会いたくて、直接触れたくて…おかしくなりそう。


ベッドに叩きつけたスマホを取り、文字を打つ。

《ほんまにごめん、電話出来る時してや?声聞きたい。好きや。》

電話に出てくれない美影にメッセージを送った。


子供のことは頭ではちゃんとわかっているし、理解もしている。

ただ、彼女が何も言わずに子供が欲しいと言う僕を否定したのが、ただただ嫌だった。

嫌な理由を教えてくれてもいいだろう、アフターピルを飲むなら飲むと先に教えられただろう。


中出しがそないに嫌やったんか?

あの時、頭ではダメだとわかっているのに、止められなかった。
彼女の同意なしにしていいことではない。


美影のことをグルグルと考えていると、通信機から小此木ちゃんの声が聞こえた。

少し確認してもらいたいことがあるから来れるかと聞かれた為、すぐにオペレーションルームに向かう。


確認し終えると小此木ちゃんが相当機嫌悪いですねと苦笑いした。

謝ると何かあったのか聞いてくる。


「出さんようにはしとったんやけど……宴会しとるらしくて飲んでんねや。いろいろ言うてもうたら、繋がらへん。」


「三浦隊員ですか?」


その言葉に頷いた。

勤務時間外とはいえ、仕事中に他にバレる程顔に出してしまった。


酒が弱いと言っても付き合いだから飲まないといけないですしねと言う小此木ちゃんの言葉を聞いて、後悔ばかりが渦巻く。

最近、全然抑えられへん。


もう一度小此木ちゃんに謝りオペレーションルームを後にした。

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