第15章 不信
それから数日後、私の歓迎会という宴会を催してくれて、居酒屋で保科隊長を筆頭に仲良くしてくれている女性隊員や、非番の人たちが集まってくれた。
副隊長は基地に残っている。
一応、私の為に集まってくれているので、ビールを少し飲んだ。
が、すぐに酔っ払ってしまい、座っているのが辛くなってきてしまう。
「美影ちゃん、めっちゃ酒弱いやん。」
向かい側に座っている保科隊長に盛大に笑われた。
テーブルに肘をつき、へへっと笑った。
すると、パシャパシャと何枚か保科隊長に撮られてしまったようだ。
保科隊長はそのままスマホを弄っている。
私のスマホから着信音が鳴ったので確認してみると、保科宗四郎と表示されている。
保科隊長が出てええでと言うので、その場で電話に出た。
移動するのきつい…。
「お前、なにやっとんのや!なんで飲んだ!?ほんまにやめてくれ、僕のいないとこで飲んだらあかん!」
耳痛い...。
そんな大声で怒鳴らなくても電話だから聞こえますよ。
なんで宗四郎さんが知っているんだと思ったが、恐らく保科隊長だろう。
保科隊長にスピーカーにしろと言われたので、こんな騒がしいとこで…と思ったが、そのまま画面をタップした。
「美影!聞いとるんか!?なぁ…僕以外の男に可愛ええ顔見せんといてや...。」
いきなり宗四郎さんの声が聞こえたからか、私の周りが静かになり、彼の恥ずかしいセリフはみんなに聞こえてしまっている。
「ふふっ、宗四郎さん、今のみんなに聞こえてるよー。……へへっ、私そんな可愛い?へへへっ…宗四郎さんはかっこいいよぅ。」
私も相当酔いが回っているようだ。