第15章 不信
医療棟行こか?と保科隊長に言われたので、後をついていった。
医療班の人にアフターピルが欲しいと話せば、すぐに説明をしてくれて、2種類あるがどちらがいいか聞かれた為、性行為後72時間以内に服用のものを選んだ。
紙コップに水まで入れて渡してくれたので、その場で飲んだ。
医療班の人がまさか保科隊長…と疑いの目を向けたので、慌てて否定する。
「俺やないけど、ほぼ俺やな。」
どういうことだ。
保科隊長!と少し大きめの声で名前を呼び見ると笑いながら、俺の弟やと言う。
どうしてそんなに弟だということを言ってしまうのだろう。
医療棟から出て廊下を歩きながら、保科隊長にどうして弟だと言うのか聞いてみた。
「言うたやろ?美影ちゃんに手ぇ出されたら困るねんて。宗四郎が怒って、仕事放て飛んできてまうかも…。」
なるほど…だが、そう簡単に手出す人なんているだろうか。
午前休はなかったことにしてもらい、お互い自分の部屋に戻った。