第14章 保科家
満足したのか、ちゅっというリップ音を響かせて唇が離れた。
「はぁ、はぁ…キスだけって言った。」
未だに胸を揉み続ける彼を睨む。
彼はただ、うんと言って首筋に吸いつく。
何がうんなんだ…。
揉むだけで乳首を触ってこないのでまだいいが、いつまで続ける気なのだ。
何度も首を吸われ、そのまま胸の膨らみまで吸われる。
首どうしよ…服で隠れない。
所有印を幾つもつけられてしまった。
まだ胸などはいいが、首はほんとにやめて欲しい…。
絆創膏を貼ってもすぐわかるだろうし、メイクをしてもすぐに落ちてしまう。
抗議をしても、見えるところにつけないと意味がないと言われるのだろう。
「あっ…!ちょ、んっ…。」
胸の傷跡を舐め上げられた。
何度も舐めてから、ちゅちゅと口付けていく。
「責任、ちゃんと取ったやろ?」
なんのことだろうと頭を捻る。
この怪我をした後、医療棟で責任取れ言うんなら取るからな、と言われたことを思い出した。
まあまだやけど、とボソッと呟きながら傷跡にまだキスをしている。
「責任取るって、結婚するってことだったの?」
「それ以外何がある言うんや。」
いや、わかんないけど。
言われた時もなんのことかさっぱりわからなかった。
少し不安になる。
宗四郎さんがこの傷を自分の責任だと思っているのなら、これを見る度に後悔したり自分を責めたりするのではないかと。
今までも気にしている感じはあった。
「もう、上がろ…?」
このままだとどこまでされるかわからない。