第14章 保科家
「宗四郎、お前…依存しすぎとちゃうか?」
「僕の奥さんなる人やからええやろ。」
これから遠距離になるのにそんなんでどうするとお義父さんは呆れている。
もう終わりやと髪を縛っていたヘアゴムを取られた。
「せっかく綺麗にしとったんに…泥だらけやん。汗もかいとるし、メイク落ちとる。」
そうだった、私メイクしてたんだった。
酷い顔になってるだろうか…。
それに汗かいてるしあまりくっついて欲しくないのだが。
「一緒にシャワー浴びよか。」
「え?」
行くでと言って私の手を引いていく。
いや、さすがにシャワーまでお借りするのは…。
お義母さんの前を通り過ぎようとしたので、咄嗟に彼女に声をかければ、どうぞ、ごゆっくりと微笑まれてしまった。
「宗四郎、やらしいことすんやないぞー。」
「っるさいわ!何してもええやろ!」
何かするおつもりで!?
一度部屋に戻り着替えを持つと、そのままお風呂に連れて行かれる。
浴室に入ると、広すぎてびっくりした。
宗四郎さん家のお風呂も広かったけど、ここはもっと広い。
大浴場、とまではいかないが、それに近い広さがある。
朝と同じように全て彼に洗われてしまった。
自分で出来ると言ってもさせてくれない…。
お義母さんが脱衣所からタオルを置いておくと声をかけてくれたので、宗四郎さんの腕の中でお礼を言った。