第14章 保科家
何も言わずに彼らの会話を聞いていると、ただいまと言う声が聞こえてきた。
え、新たなご家族登場!?
宗四郎さんが舌打ちをした。
驚いて彼を見ると、兄貴やと教えてくれる。
え、隊長?
基地に行ってから挨拶しようと思っていたのに、心の準備も出来ていないまま、お義兄さんが来てしまった。
というか、姫路から来たんだよね?
わざわざ、どうしたんだろう。
客間に入ってきたお義兄さんの姿を確認してすぐに挨拶をする。
そしたら、いきなり手を引かれて宗四郎さんの背に隠された。
「なんや、えらい可愛らしいお客さんやん。」
待って、宗四郎さんと顔一緒!
髪型とかは違うけど、そっくり!
お義母さんもすごい似てると思ったけど、お義兄さんの方がめっちゃ似てる。
お義兄さんの方がちょっときつい顔してるけど。
「お義兄さんとイケナイ関係ならへん?」
え、ちょっとやばい系のお義兄さん?
宗四郎さんがアホちゃうかとお義兄さんを睨む。
「あ、あの…保科隊長、これからよろしくお願いします。」
「宗一郎さん呼んでええねんで?君も保科なるんやろ?」
いや、さすがにちょっと名前は…宗四郎さんが怒りそう。
彼の背から出て頭下げただけで、掴まれた手首が痛い。
そのまま宗四郎さんは寝るからうるさくするなと言って、私の手を引いて客間を出ていく。
やらしいわあと言うお義兄さんを無視してズカズカと歩を進める。