第13章 指輪
愛しい重みがないことに気付いて目が覚めると、私の胸にいた宗四郎さんがいない。
どこだろうと思い、ベッドから降りてキョロキョロしていると水音が聞こえて、シャワーを浴びてるのかと思い私もそちらに向かった。
「宗四郎さん?もう起きたの?」
「ん?美影ももう起きたん?まだ寝ててええんやで。」
浴室の扉を開けると、そう言いながらも私の手を引いて引き寄せて後ろから腕を回し、お腹の前で指を絡めて閉じ込められる。
シャワーのお湯が頭からかかった。
「寝顔撮ったやろ。……永遠に愛してるで。」
起きていたのか。
起きてたのなら、もう寝顔じゃないじゃんか。
愛してるでと耳元で囁かれ、胸がきゅうと締めつけられてドクドクと鼓動が早くなる。
スっと腕を離し、まあ僕もいっぱい撮ったけどな、と言いながら前髪をかき上げて、私の髪に指を通した。
「え?撮ったって…寝顔?いつ?」
「そや。いつって…今まで?」
今までって、一緒に寝るようになってからずっとってこと…?
後で確認させてもらわなきゃ。
私の髪の全体に水分を含ませて、シャンプーを手に取るとわしゃわしゃと泡立たせていく。
気持ちいい…宗四郎さん器用だから、髪を洗うのも上手だ。
その後も身体を洗ってくれたりと、全部やらせてしまった。
身体を洗う時、厭らしい手つきでされるかと思ったけど、意外にもちゃんと洗ってくれた。